トップページ >>静脈瘤の治療について

静脈瘤とは

下肢静脈瘤とは足の血管がふくれてこぶの様になる病気です。 良性の病気ですので、治療をしなくても健康を損なうことはありません。 しかし、自然に治ることはありませんので、足にこぶの様な血管が目立つ見た目の問題、だるさやむくみなどの症状が日常的に起こり、患者さんを苦しめます。 重症になると、湿疹ができたり、皮膚が破れたり(潰瘍)、出血をおこすことがあります。

主な症状

  • 足の血管が目立つ
  • ふくらはぎがだるい、疲れやすい、重く痛い
  • 足がむくむ
  • 足がつる
  • ふくらはぎに湿疹ができる

静脈瘤の治療方法

下肢静脈瘤には様々な治療方法があります。病状にあわせて、適切な治療法を選択することが重要です。

弾性ストッキング

弾性ストッキングを履くことにより膨らんでくる静脈瘤を外側から抑えて更に膨らまないようにすることができます。 この方法によりストッキングを履いている間の症状が緩和されます。 しかし、ストッキングを脱ぐと元に戻ってしまうため、治療というよりは症状を和らげる対症療法と考えた方がいいでしょう。 より根本的に治したい場合には侵襲(体への負担)を伴う治療を行なうことになります。

注射による硬化療法

侵襲の少ない治療法としては注射による硬化療法があります。 これは膨らんだ静脈に硬化剤という特殊な薬剤を注入して静脈を収縮させるものです。 この治療の問題点としては静脈の逆流という根本的な原因を取り除くことができないために再発の可能性が高いということです。 また、皮膚から近い静脈に薬剤を注入するため色素沈着が起こりやすくなります。

ストリッピング手術

注射による硬化療法より侵襲が大きくなりますが、より根本的な治療法としてストリッピング手術があります。 この手術では全身麻酔か腰椎麻酔をして足の付け根と膝の皮膚を切り、弁不全を起こしている大伏在静脈にチューブを通してその静脈全てを引き抜くため逆流を防ぐための根本的な治療法といえます。 この治療法の問題点は全身麻酔、あるいは腰椎麻酔をするために入院が避けらないこと。また、切開や切除に伴う痛みや出血があるということです。

レーザーによる血管内治療

ストリッピング手術の2点の問題を改善したレーザーによる血管内治療が近年保険適用になりました。 レーザーによる血管内治療ではまず、膝あたりの大伏在静脈を注射針で刺します。 そこからカテーテルを通し、レーザーファイバーで弁不全を起こした大伏在静脈の内側を焼くことで閉塞させます。 この治療は局所麻酔で済むため入院の必要がない、切開をしないため術後の回復が早いという利点があります。 一方で静脈の焼き具合が足りない場合、再発の可能性がストリッピング手術の再発率より僅かではありますが高くなるというデメリットも存在します。

静脈瘤の治療の流れ

当院での治療例

1)大伏在静脈領域の静脈瘤の場合:①静脈抜去術(ストリッピング)+ 下腿静脈瘤切除(スタブ・アバルジョン)

術前に血管エコーで大伏在静脈-深部静脈分岐部、末梢結紮部、ストリッピング末梢部のマーキングを行います。 体位は仰臥位で、麻酔はストリッピング術を行う場合は腰椎麻酔下に行ないます。 ストリッピングは大腿の大伏在静脈を抜き取る手術ですから、下腿に累々とある静脈瘤自体はそのままではよくなりません。 したがって下腿の静脈瘤の部位には殊なフックを使用し1ミリから3ミリの小さい傷で静脈瘤を引き出しながら切除する方法で治療します。 傷跡は殆ど残りません。

術前・術後の写真

2)小伏在静脈領域の静脈瘤の場合:①高位結紮 + 下腿静脈瘤切除(スタブ・アバルジョン)

血管エコーで小伏在静脈の根部を確認して、これを結紮します。 続いて、静脈瘤を専用フックを使用し1ミリから3ミリの小さい傷で静脈瘤を治していきます。 体位は腹臥位、麻酔は原則、局所麻酔です。

3)鬱滞(うったい)性皮膚炎の場合

下腿から足関節、特に下腿下1/3から内果、外果にかけての紅斑、鱗屑、紫斑、浮腫から徐々に黒褐色の色素沈着を形成。 慢性に経過し、下腿の倦怠感、かゆみ、疼痛を感じることが多い。重症化すれば皮膚潰瘍に至ることもある。 鬱滞性皮膚炎では、血管エコーを行うと、伏在静脈の弁不全や下腿の静脈穿通枝の弁不全を合併していることも少なくないので、 病態にあわせてストリッピング、高位結紮、静脈瘤切除、不全交通枝の結紮などを行って治療する。